”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”Oktober November"(13年)

昨晩は2ヶ月に一度の”組合の寄り合い”だ、僅か32戸の集合住宅と言えどそりゃ問題が山積み状態、珍しく管理組合の全員7人が参加。人数が増えると時間も余計に掛かるのは日本と同じ、それに書類に書いてあるってのに自己主張の積りかゴチャゴチャ言う輩もいるし、何れにせよ収支報告の後は管理人の独壇場と決まっている、。

この参加人数にしちゃ僅か45分で終了、まだ8時にもなってない。飯は今夜はケンタで済ませているのでそのまま”月曜洋画劇場”へ、、。

今夜の出し物はオーストリア映画で”October、November"、、日本では公開されてないのか邦題が見つからない。まあ強いて言えば”10月から11月”へと季節の変わり目=人生の移り変わり、、とでも言いたくなる映画だ。

オーストリアの田舎風景、反転して都会風景とそこに暮らす人々の生活模様、そんな映画。山なし谷なしで大きな動きはないのだが妙に心に迫るものがあって最後までしっかり見てしまった。ストーリーは女優として成功している妹、そして両親から受け継いだ田舎の宿を経営し、父親の介護までしている姉、、そして勤労なご主人に小さな息子、ご近所のかかりつけのお医者さん、、そんだけがメインの登場人物。

イメージ 1これが女優役ソニアを演じたノラ・ヴォン・ウォルドスタッテン、出るべきものはちっとも出てないし特別べっぴんさんでもないのだが妙に気になる女優さんだった。

どうもテレビドラマや映画が中心らしいが(劇中)外へ出れば知らない人がいないほどに有名だ。ミステリードラマの収録が終わって一息、暫く休みを取って田舎へ帰る事に。その田舎町で魅力的な宿を経営しているのが姉のハンネ、今はシーズンオフなのか閑散としているが働き者のご主人と息子に囲まれて幸せそうな雰囲気、父親も同居しているのだが家族がみんな宿の部屋を使っていてこれがちょいと面白い設定だった。食事はレストランの片隅だし調理は大きなキッチン、、忙しくなったらどうするんだ~、、と思わせるのだが、。

そこまで見ててこの女優さん、、誰かに似てないかな??そうだこの女優さんだ、;

イメージ 2往年の大女優、エヴァ・ガードナーです。ちょっときつい目元や顎の張り方がそっくりじゃないでしょうか?

そんな事を思いながらさてどうなるのか??都会の喧騒を離れこの田舎町に移住して来たお医者さん、、彼が父親のかかりつけで往診にも来てくれるのだがどうやら姉とは深い関係が、、あんな働き者の旦那がいるのに、、と思う間もなく妹のソニアも自由奔放らしい、、共演した男優と入ったレストランのトイレで後から入って来た女性に子供の写真を見せられ”二人とも可愛いでしょ?”そしていきなり頬をひっぱ叩かれる。

どうもこの女性のご主人と不倫中でこの女性は”こんな可愛い子供達を不幸にする気?”と迫って来たようだ。しかしソニアはもうとっくに別れている、、と言って取り合わない。ありゃこれは姉妹揃ってのドロドロ愛憎劇のデスマッチか??

その田舎町の宿ではどうも具合のよろしくないお爺ちゃんが姉の言うことも聞かず調合された薬も飲まない、、毎度先生の往診にお世話になっているのだが今回、新しく出された薬も買いにも行かずだ。そんな”実家”へソニアが帰ってくる。

その姉妹の会話や父親との会話、静かだがこりゃどうも日本の状況と同じじゃないか?と思わせる内容だ。姉は妹に”アンタは勝手に出て行って自由気まま”、”私は父親を抱え好きな事も出来ずこんな宿屋の女主人、、”でも”お姉ちゃんは結婚して子供にも恵まれ素敵な旦那もいるじゃない?”この繰り返し、、イヤ~、、これは現実社会に戻されるな、、身につまされて耳が痛いよ。

こんな展開は文化や国は違っても日本でも同じ設定、同じ背景で映画が撮れるんじゃないだろうか??東京から田舎町で旅館を経営する姉家族の元に帰ってくる女優さん、、そこで始まる人生観の違い、後悔、願望、基本的には人間の本質ってのは何処へ行っても同じって事になるのか?

そして予期した通り、、親父さんが発作を起こす。辛うじて心拍停止状態からお医者さんの処置で生還するのだがその時一人で見守っていたソニアに手紙を手渡す。その手紙とは亡き妻が残したものでその昔、忙しく宿を切り盛りしていた時期に投宿していた青年との”交流”を綴ったものだった。投函した手紙が戻って来たのか、投函されなかったのかは判らないが父親がベッドサイドのテーブルにずっと保管していた。

こうなると”女性陣”は全員が不倫組かぁ??となる。ソニアはその手紙を読んだあとどうしてもその書かれた真意を確かめたくて今は裕福そうで如何にも成功している風情のビジネスマン、母親の相手だった男に会いに行くのだ。

ラストは宿から近い湖畔の岸に佇む姉妹二人、父親を亡くしもう残された家族は二人だけ、、そして静かに語る場面でエンドロール、。これは見る側の立場からいかようにも解釈出来る映画だ、、恐らくこの二人は今の生活をやめる事はないだろうし姉にしろお医者さんとはそのまま継続、、妹は現在進行中の共演した男優との関係を絶つこともないだろう、、そして又、女優業へ戻っていく。夫々の人生の中の1ページを捲っていっただけの事かも知れない、。

妙に切ない、、でも何となく心に迫る映画だったと言えば良いのか?家内がナニか書き残してないか探してみようか、、おっとその前にオレが告白しとかないと??それじゃ”マディソン郡の橋”の逆、、いや、”ブリスベン郡の端”かな??(^0^))

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