”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”オールド・ルーキー”(02年)

5月に入り日本もアメリカも野球から目が離せない。アメリカじゃ一番人気のスポーツはアメフト、バスケット、、と聞くがやはりスポーツ界を描いた映画は野球が一番多いように思う。これまで佳作、秀作、名作、、それに残念な作品と数々作られて来ているがこの”オールド・ルーキー”はかなり上位にランキングされる。

まずこの原題”The Rookie"(同名でクリント・イーストウッドの映画もある)だがこの邦題が”オールド・ルーキー”これは見事だ。”Rookie"とはそもそも新人、新参者だからそれに真逆の意味で”Old"は付けられない。しかしここは和製英語のなせる技だ。見事に映画の主人公を表現していて的確に内容を表している。


イメージ 1主演はデニス・クエイド、その奥さんにオージーのレイチェル・グリフィスで制作したのはディズニーである。

メージャーリーガーとして当時はデビルレイズと呼ばれたタンパのチーム(アメリカンリーグ東地区)に35歳で昇格し2シーズンをリリーフ投手として活躍したジム・モリスの実話物語である。

子供の頃から野球大好き少年だったジム、父親の転勤が多くひとつの場所に定住する事がなかった。でも暇を見つけちゃ一人で練習、しかしリトル・リーグでやっている時でも試合の前日に父親の転勤の都合で泣く泣く試合からも仲間からも引き離されたり思い通りに野球が出来なかった。

高校には野球チームがなくグローブを手にする事も叶わなかったがプロのスカウトの目に留まりマイナーリーグで細々と野球漬けの毎日、、でも肩の怪我が思わしくなくメージャーには昇格出来ず野球選手になる夢を捨てて故郷の高校教師兼野球チームの監督になる事に。

この時、既に35歳のジム・モーリス君、チームの練習で選手の一人に挑発された格好で全力投球した球の威力にチーム全員が腰を抜かす有様、そして負け続けるチームに喝を入れる意味で”キミ達の夢は何なんだ?””もっとしっかり悔いのない野球をやれよ”と叱咤激励する。すると選手の一人が”お言葉を返すようですが、、、”と迫ってくる。監督だって”夢はなかったんですか?”、それが引き金になって思いがけない賭け勝負が、、。

選手たちとのその”賭け”の対象とは、、もしチームが地区優勝を勝ち取ったら監督はメージャーリーグの入団テストを受けること、。実話としてもこの辺は脚色されていると思うのだがやはりディズニー社は実に巧く観客の心を鷲掴みにする。そして選手たちはこの日を境に全員が総力戦、負け続きだったチームが一丸となって今度は監督に夢の続きを見させる為にガンバルのであります。

”お言葉を返された”ジム君、、こりゃ大変だ。一人深夜になると練習に励み例え入団テストを受ける事になっても無様な姿だけは晒したくない、その一心で練習、練習、、もう”ロッキー”顔負けの訓練ぶりだ。

影になり表になり支える妻のロリー(レイチェル・グリフィス)がとても理解があって良い、3人の子供を育てながら”貴男の好きにしてください”ともう泣かせるセリフ満載、これじゃ男一匹頑張るっきゃないだろう。最初は子供を抱え”教師兼コーチも辞めてどうするんですか?”と詰め寄って来ていたのだがチームメンバーとの経緯やチームの優勝がかかっている事を知り全面降伏、”ジム様、なんとかしなさいよ”と逆に鞭打ちの刑だ、、そして奮闘するジム君。

映画は後半になって頑張った甲斐があってチームは地区優勝、そして今度は約束を守るのは監督の番だ。道路脇でこぼれたボールを見つけ本来はクルマのスピードを計時する”スピードガン”のデカい奴に向かって渾身の一球を投じる。でも表示された数字は78、、とかの平凡な数字、まあこんなもんかと去っていくジムだがカメラが表示版に近づいてみるとナンと左側の”7”は電気のタマ切れで本当に表示された数字は”9”だったのだ。

そんなで35歳にしてやっとメージャーのテスト参加、無論自薦他薦で集まった選手たちのなかでは一番の年長者、そしてテストで投じた一球が球団関係者の度肝を抜く、、そしてマイナー選手として契約、クライマックスは遂に故郷のアーリントンでのテキサス・レンジャーズ戦、後半8回の裏に三球三振でデビューとなるのであります。もうこれは感動なくして見れない”スポ根”、度数満点の映画となります。

父親役のブライアン・コックス、子供の時にはあんなに野球選手になる事を反対したのだが試合後の球場通路に一人佇むオヤジの姿を発見しさっき三振で飾った記念のボールをそっとジムが手渡すシーン、これには思わず胸が熱くなってしまった。


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