”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ドリームホーム 99%を操る男たち”(14年)

自宅からの強制退去をきっかけに自らも金や欲望の世界に足を踏み入れる男を、”ソーシャル・ネットワーク”のアンドリュー・ガーフィールドが演じた社会派サスペンス。リーマン・ショック後に家の差し押さえにあった人たちの実話を基に、家族のため道を踏み外す男と不動産ブローカーの共謀を描く。共演は、マイケル・シャノンローラ・ダーンで監督は”チェイス・ザ・ドリーム”などのラミン・バーラニ、共同脚本でアミール・ナデリが参加している。 by シネマトゥデイ

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この映画はブログ友の”pu-ko”さんの記事を読んでから大分気になっていた。そこでダメ元さとばかりFOXさんに何とか見れませんかぁ~、とお願いしていた。そしたら願いが通じたのか昨晩放映してくれた、、ワタシが幾ら毎月100ドル以上も払っているからと言ってそんな個人の願いを聞いてくれる訳もなし、偶然としか思えない。pu-koさん、又もや緊迫する秀作をご紹介頂いてありがとう御座いました。こんな展開は大好きです!

建設工事に携わるシングルファーザーのデニス(A・ガーフィールド)は母と小学生の息子と3人暮らし。時はリーマンショック時のフロリダ、長引く不況で職を失い自宅を差し押さえられてしまう一家。保安官を伴い現われた不動産ブローカーのリック(マイケル・シャノン)は、有無を言わさぬ冷徹さで立ち退きを迫る。やむを得ず、母と息子を連れて身の回りのモノを持ってモーテルに引っ越す。

必死に職を探すが、なかなか見つからず途方に暮れるのだがそんな彼に仕事を与えてくれたのは、皮肉にも彼を我が家から追い出した張本人のリックだった。家族の大切な家を取り戻すためならどんなことでもすると覚悟を決めたデニスはリックの下でモラルを無視した商売に手を染め、大金を稼ぐようになっていくのだったが…。     by allcinema

こう書くとウォール街を舞台にしたマイケル・ダグラスがゴードン・ゲッコーに扮した秀作、”ウォール・ストリート”(10年)とかレオナルド・ディカプリオの”ウルフ・オブ・ウォールストリート”(13年)があったし扱う商品は違うものの内容はかなり似ている。何となく正攻法での成功じゃなくて後ろめたい気持ちで大金を掴んで行く過程は同じだし主人公が最後に”うん、俺は一体ナニをしたんだ??”みたいな終わり方は共通している。

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しかしこの映画には監督のかなり痛烈なメッセージが込められている。劇中のリックのセリフに集約されているのだが、、

アメリカは負け犬に手を差し伸べない。この欺瞞の国は、勝者の勝者による勝者のために国だ”、、イランからの移民を両親に持つ監督ラミン・バーラニ、脚本のイラン映画の鬼才、アミール・ナデリは徹底して外部からのクールな視点で、無慈悲なアメリカ資本主義システムを苛烈に批判する。とりわけ手持ちカメラを多用したドキュメンタリー・タッチで、強制退去を命じられ、呆然自失する家族たちの姿を次々に映し出すシークエンスが痛ましい。

一方で、デニスは、彼らの犠牲を糧にして(自分もそうだったんだが)、ついに終盤になってプール付きの豪邸を手に入れる、しかしそこには一緒に住むべき家族が不在という容赦ない現実が、、困惑の表情を浮かべるガーフィールドが繊細な演技で魅せる。モラルのタガが外れた、さまざまな矛盾を抱えた酷薄なカリスマ権力者を陰影深く演じたマイケル・シャノンはさらに強く印象に残る、、。 by シネマトゥデイ

他人のお金を預かって直接投資、、その利ざやをポッケにするのとは大分違う。そりゃ主人公のボス、リックだってアコギな商売で金融機関や司法を担当する側ともつるんでいる訳だがローンを払えなくなって立ち退きを強制される住民側だって問題大ありだよな~、、失職した時点や収入が失くなった時点でナニか方策を講じないでそのままにしてりゃこうなるのは目に見えている。こうしてこの歳になってもローンに追われている人間には実にアタマの痛い映画だったよ、、明日は我が身??

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