”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”瞳の奥の秘密”(09年)

先日e-bayに12ドル払った”瞳の奥の秘密”、オリジナルのアルゼンチン版をようやく見た。アメリカ版を見て日も浅いしこの半ボケ爺いでも未だしっかり記憶も残っているので何処がどんなに違うのか見比べる事も出来た、。


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アメリカ版は邦題が”シークレット・アイズ”(15年)、これは原題の”Secret In Their Eyes"から”秘密の瞳”だけを取り出したんだろうがやっぱり”瞳の奥に隠された秘密”の方が断然巧い。ナンでもかんでもカタカナにする必要性は全くないと思うのだが。リメイクされる場合はオリジナルのタイトルはそのまま継承しても良いと思うが今度の”荒野の七人”も”マグニフィセント・セヴン”とカタカナ化になっているしどうもこの若者に媚を売るような(まあ担当者が同世代とは思うが)カタカナ化はヤメて欲しい。第一その肝心の若者の洋画離れが深刻とか聞くのだが、、。

映画の設定は同じスタイルを貫いているのだがアルゼンチン版は事件が起きてからもう25年が経過している、アメリカ版は13年後の物語だが双方とも現代、過去、現代、過去と行ったり来たりするのは同じだ。しかし肝心の”’殺人事件”の被害者が違っていてアルゼンチンでは被害者が新婚カップルの奥さん、アメリカでは検察官のアシスタントの女性のお嬢さんだ。

捜査線上に浮かぶ容疑者を追求する場面は全く同じ設定、工事現場で働く季節労働者と言うところまで同じ、そして取り調べ中に刑事が暴力をふるい自供を強要する場面もそっくりだ。更に詳細は書かないが酷似したショットが沢山ある。そんな中でもまた違う容疑者を尋問するなかで彼の本性を剥き出しにさせる場面とそれに至る過程、、これは一番肝心なシーンなので替える訳にはいかないのだろうがほぼ100%同じ構図で検察官のブラウスのボタンが飛び、その胸元に容疑者の目が吸い付けられる箇所はまさにリメイクだった。ありゃ詳細は書かないと言っているのに書いちまったよ、、、。

アメリカ版はその検察官にニコール・キッドマン、アシスタントで被害者のママがジュリア・ロバーツ、主演で捜査の最初から携わっているのがキウェテル・イジョフォーと確かに此方の方が馴染みがある。アルゼンチン版では主演のリカルド・ダリン以外は我らには余り知られていない俳優さん、、これはスウェーデン版の”ドラゴンタトゥーの女”と同じかも知れない。やっぱりアメリカ資本になると主役にダニエル・クレイグを迎えられるし知名度は俄然高くなるのだ。

まあ配役の知名度が上がっても映画の出来にまで影響を及ぼすのは難しい。むしろ馴染みのない配役の方が真実味が増して先入観なしに見れるのだ。それにやはりオリジナルの良さはアカデミー賞で外国映画賞を授与されている事でも証明されるように断然此方の方が良かった。最後の衝撃度はアメリカ版も捨てがたい、やはり娘を亡くした母親VS新妻を亡くした夫君、、ママの執念に軍配をあげたい。でも最後の最後、ラストシーンはアルゼンチン版の方が救われた。

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