”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”最後の追跡”(16年)

今年のアカデミー賞では最優秀作品賞を含む4部門にノミネート、先のゴールデン・グローブでは3部門、そしてイギリスのBAFTAでも3部門にノミネートされている”秀作”である。原題は”Hell Or High Water"、、”地獄か満潮”っとちょっと首を捻りたくなる原題なんだがそれを”最後の追跡”、、やるじゃないか。この邦題だと俄然見たくなるぜ、、。

配役はジェフ・ブリッジスクリス・パインベン・フォスターで監督がデビット・マッケンジーと言うスコットランド人だがこれまでそんなメジャーな作品はない。それが一気にこのアメリカの西部劇に近いテキサスを舞台にクライム・スリラーで脚光を浴びてしまった。

イメージ 1現代のお話なんだがもう背景は殆んど西部劇、確かにそりゃ腰にホルスターで拳銃は差してないが、、でもそれにかなり近いのにはビックリする。

何せ街の一般市民(爺さんまで)がほぼ全員が拳銃を持っているようだし車にはライフルを装備しているような、、こりゃ幾ら法律で規制しようとしても無理なんだろうな、、と思わず納得してしまった。

トビー(C・パイン)とタナー(B・フォスター)兄弟は自分たちの牧場の債務を清算し所有権を守るために銀行強盗を計画し実行に移す。実はその動機がちょっと風変わりなんだが母親から相続したその土地には石油が埋蔵されているらしいのだ、彼らはその土地が人手に渡るのを阻止しようという事から43、000ドルを調達しなくてはならず計画を練ったのだが刑務所帰りのタナーには時間もないし他にまともな仕事が思いつかないのだ。

そしてその彼らを追う保安官、マーカスがジェフ・ブリッジス、、何やら此処まで書くと07年にコーウェン兄弟が監督した”ノーカントリー”みたいな雰囲気なんだがあんな強烈な”殺し屋”は出て来ない。

ああああ~、、急用だ、、Intermission 後半は後ほど

映画は最初の銀行強盗を成功させるが盗んだ金額が少なく今度は別の街の同じ銀行支店に、、更に成功に味をしめ次々と3軒の強盗を、、こうなるともう”ボニー&クライド”ならぬ”トビー&タナー”って感じで進んでいくのだ。此処から先を書いちゃうとネタバレになっちゃうので書けないがその”ヒット&ゴー”スタイルの強奪が思わぬ展開を見せる。

彼ら二人を追う引退間近のマーカスとぐっと若いインディアン(コマンチだったか?)の血を引く相棒は思考回路が互いに違うのだがそれでも手口から次に襲われそうな銀行に目を付け先回りをする、、、そうして後半はああなって、こうなってこれまた過去にあった銀行強盗映画とは一寸違う結末を迎えるのであります。

この手の犯罪映画の常として緊迫感は大きな要素を占めるのだがその”緊迫感”と言うことでは”ボーダーライン”や”ザ・コンサルタント”には遠く及ばない気がする。脚本は良いし兄弟二人を演じるクリス・パインベン・フォスターはなかなかの出来だ、でもジェフ・ブリッジス助演男優賞にノミネートされていて出番から見ても主演とは程遠い、これはちょっと勿体無いと言うかこっちが期待し過ぎた。

日本で観客動員するのは、、、ちょっと難しいかも知れないなぁ~、、。でもアカデミー会員のおじさん、おばさんたち、この映画が作品賞にノミネートされて”ザ・コンサルタント”はダメですか??それに昨年の”ボーダーライン”だってカスリもしなかったじゃないか、、不思議だ、ナンでだろう??

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