”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”レッド・ドラゴン”(02年)

この映画はトーマス・ハリス原作の一連のハンニバル・レクター博士ものだが91年に公開された”羊たちの沈黙”の影になってしまい余り人気が出なかった。原作が書かれた順序からいくとこれが最初で81年に出版されている。そして”羊たちの沈黙”は88年で次の”ハンニバル”が99年、最後の”ハンニバル・ライジング”が06年に出版されている。

映画化となると”羊たちの沈黙”(91年)、”ハンニバル”(01年)、”レッド・ドラゴン”(02年)、”ハンニバル・ライジング”(07年)となっているので原作を先に読んでいるファンにはもう何が何だか、、ややこしいったらありゃしない。

それでもサー・アンソニー・ホプキンズがずっとレクター博士を演じその怪演振りが3作では光っているのだが”ハンニバル・ライジング”は彼の幼少の頃が描かれている為、アンソニーの出番はなく主演はギャスパー・ウリエルと言う人だった。

この”レッド・ドラゴン”は言ってみれば”ドラゴン・タトゥーの殺人鬼”って印象だが演じたのはレイフ・ファインズ、そして新米FBI捜査官のクラリススターリングへ引き継ぐ前のFBI捜査官、ウィルにエドワード・ノートンが扮している。

原作者のトーマス・ハリスは40年生まれで現在も現役で活躍しているのだがその長い作家人生でこのハンニバル・レクターものと処女作、”ブラック・サンデー”しか書いてないのだ。即ち5作だけ、、しかしその全部が映画化されており恐らくその著作権のロイヤルティやら版権収入でとてつもない金持ちになっているんだろう。そして原作の主人公に似ているのかかなりな変人らしい、、。

映画の背景は80年のボルティモア、既に犯罪精神医学の分野では権威とされているハンニバル博士を訪ね犯罪心理についてアドバイスを受け連続殺人事件の解明を模索しているウィル(エドワード・ノートン)は書斎にあったぶ厚い書籍から真犯人は目の前にいるハンニバルだと気付く、、しかしそれを察したハンニバルに一瞬早く腹部を刺されてしまう。部屋にあった矢尻と自身の拳銃で応戦、何とか逮捕に漕ぎ着けるが双方とも重傷をおってしまう、、と言うエピローグだ。

イメージ 1

そして3年の歳月が経過、、今やFBIを退職して悠々自適にフロリダで家族3人の生活をエンジョイしているのだが本部から昔の上司がやって来る。後にクラリスの上司ともなるジャック・クロフォードだがこの映画ではハーベイ・カイテル、こんな所でも混乱するぜ、、同じ役名で違う人がやっていると印象が全然違うのだ。

そして期間限定と言われて現在起きている連続殺人事件の解決に手を貸すことになりどんどんと深みにハマっていくのです、、今回も厳重な警備の刑務所で独房に繋がれているハンニバルだが(此方も重傷だった怪我が癒えてる)、止めときゃ良いのに彼にこの連続殺人犯の分析を依頼しに行く、この辺りのパターンは”羊たちの沈黙”と同じで同じ殺人者から意見を聞いて捜査に役立てたいと言うのが共通したストーリー展開になっている。

もう何回か見ているのだがやはり総体的にかつ冷静に見ても”ドラゴン”は”羊”にはかなわないのだ、、無論クラリスを演じたジョディー・フォスターを始め監督のジョナサン・デミ、そして撮影、音楽、脚本と全分野に置いて違いは歴然としている。でもこっちを最初に見ていたら、、ああ、それでもやっぱりダメかな??でも此方も怪奇殺人、ミステリー犯罪映画としてなかなかのものなんですがね、、。