”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”スティング”(73年)

実に久し振りに見た映画、”スティング”、、やっぱり何時見ても何回見ても名作だ。公開されたのは73年なのでもう44年も昔の映画じゃないか、、?しかし30~40年代の映画は明らかに画質からも古さを感じるがこの頃はちっとも古さは感じさせない。それに主演のポール・ニューマンロバート・レッドフォードが実に魅力的でもある。

イメージ 169年に同じ配役プラス、キャサリン・ロスジョージ・ロイ・ヒル監督が撮った”明日に向って撃て!”の”名コンビが復活した映画だがオスカーでは見事に作品賞を獲得しアメリカ国立フィルム登録にも記載されている貴重な作品でもある。

時代背景は36年のシカゴ、チンピラ詐欺師のジョニー(R・レッドフォード)が師匠と仰ぐ親代わりの親分を殺されその復讐に立ち上がると言うもので映画の構成は舞台劇のように7つのテーマに分かれている。

最初の”配役”では出演者全員の紹介、2章の”段取り”では敵に罠を仕掛ける様子、、3章の”引っ掛け”ではその詳細と敵を追い込む方法、、4章の”作り話”で敵を信じ込ます話をでっち上げ、、5章”電信屋”では敵に内幕を見せ完全なる信用を勝ち取る、6章は”締め出し”、、更に敵を信用させる為にわざと敵に失敗させ大金を儲け損なわせる、7章の”トドメの一撃”で敵を完全に欺き完全勝利を勝ち取る、、とそんな具合になっている。

この構成も素晴らしいのだがプロットが実に念入りで映画の中身以上の制作技術には最後の最後まで驚かされっぱなし、、そしてどんでん返し満載の映画である。この時代(映画公開時)にリアルタイムでこんな映画に遭遇したらこりゃもう映画ファンになるっきゃないだろう、と断言出来る。

かの”ベン・ハー”や”荒野の七人”だって”そんな無謀な、、”と言われてもリメイクされる時代、40年以上が経過しているのにこの映画はリメイクの噂も聞かない。それとも水面下では企画中なのか??監督はやりたくてしょうがないだろうなぁ~、、まあ配役が難しいとは思うがそろそろ”オレがやるっ”と手を挙げる大物プロデューサーが現れそうだ、、。

主演の二人の他に悪玉役でロバート・ショウが最後にギャフンと叩きのめされるギャングの親分になっている。女優陣にはヘンリー(P・ニューマン)の”愛人”、ビリー(アイリーン・ブレナン)と女殺し屋としてジョニーが出入りしているコーヒーショップに働くロレッタ(ディミトラ・アーリス)だけと華はないがこれは”あっと驚く為五郎”、究極のコン・ムービーとしての評価は非常に高いのだ、、、。