”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ゾルディアック”(07年)

実際に起きた連続殺人事件。背景は68年代から74年くらいにかけてのサンフランシスコ周辺だが真犯人が警察署、当時の新聞社へ”ゾルディアック”と署名した犯行声明書を送付していた事からこう呼ばれている。

監督はデイビット・フィンチャーで随分長いこと見たかったのだがなかなかチャンスがなかった。それがやっとFOXが3.90ドルと言う格安価格で放映してくれたのだ。主演はジェイク・ギレンホールとロバート・ダウニーJr、マーク・ラファロ等が主要人物として登場する。

これまで”ダーティ・ハリー”(71年)ではスコーピオと名前を代えて登場しているがこのデイビット・フィンチャー版に至るまでに6回以上も映画化されている。この映画では最後に真犯人が逮捕されたような、、されていないような雰囲気で終わっているのだが実社会では後日、DNA鑑定の結果先に捕らえられたヤツは真犯人じゃないそうな、、なので今だに逮捕には至っていないようだ。

イメージ 1デイビット・フィンチャーらしい映像と作りなので好き嫌いが分かれるかも知れないが同じ監督の秀作、”セブン”(95年)にも負けてないぞ(?)。

映画はミステリーとして犯人探しのドキドキ感もあるが新聞社でカーツーン(風刺画)を手掛けているロバート(J・ギレンホール)が実にしつこく市警に協力して犯人探しに乗り出す。同僚のポール(R・ダウニーJr)は事件記者としてこの事件を追い、これ又、編集部首脳の言う事を聞かずに独自に捜査を進めていくのだ、。

この二人の絡みが中心だがどちらかと言うと最初の事件発生から数年が経過してからはサスペンスと言うより捜査に携わった人たちをひっくるめた人間ドラマ風に進んでいく。

映画の原作はジェイク・ギレンホールが演じたロバート・グレイスミスが86年に出版した手記が元ネタで彼は結局、その後風刺漫画専門からノンフィクション作家に転じたらしい。この映画の終盤に逮捕されたようにみえたアーサー・リー・アレンはその後原因は不明だが亡くなった。そしてDNA鑑定が一致しなかったので真犯人ではなかったと判断されているのにちょっと戸惑ってしまう。どうもすっきりしない終わり方は精神衛生上よろしくないよ、、。