”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ラスト・ターゲット”(10年)

邦題は”ラスト・ターゲット”か?原題は”The American"と言うまさにコーヒーならちょっと薄いかな、、と思われそうだが実にハード・ボイルド(固ゆで玉子)に仕上がっているのだ、、原作はマーティン・ブースが90年に書いた長編小説で”A Very Private Gentleman”、しかし翻訳時の邦題は”暗闇の蝶”と言う、、このチョウチョは主人公のジャック(ジョージ・クルーニー)が首の後ろに入れている刺青の事なんだが、。

アメリカン”じゃ何の事だか、、これは原題も悪い、、でも内容は確かに”ラスト・ターゲット”に関連するお話だし、それなら”最後の標的”だって良いじゃないかぁ?

ジャック(G・クルーニー)は凄腕の殺し屋だ。しかし他の殺し屋とちょっと違うのは技術屋さんで銃の加工やらサイレンサーを独自に製作したりと単に撃つだけじゃなくて職人肌である。そのジャックに指令を出すバヴェルと言うヤツがいてその中間につなぎ役を勤めるマチルダと言うこれも又、殺し屋がいる。今回の仕事先はイタリア、、田舎町へ引っ込んで準備をする事に、。

この辺りのイタリアの田舎町の風景が非常に良いしジャックが丹念に銃を扱い車の修理工場から調達して来た”部品”で旋盤工並にサイレンサーを作って行く過程はなかなかのものだ、、どっかの馬鹿が真似をしない事を祈るばかりだが、かなり詳細に描かれている。この辺りは往年の名作”ジャッカルの日”を彷彿とさせる。

イメージ 1そして狙撃用のライフルとサイレンサーが完成、この辺りまでてっきりジャックが仕事もするんだと思いきやマチルダがやって来てその銃の試射、どうも彼女が今回は本命の殺し屋として仕事に行くような雰囲気で見ている側にはターゲットもその理由も何も判らない。

そんな日を送っていたジャックだが街の娼婦、クララとすっかり打ち解けてしまいメロメロになっている、、、殺し屋にあるまじき行為じゃないのか?と見ているともうこの仕事を最後にクララとどっか遠くへ行って一緒に暮らそうと言い始めている。

イメージ 2そしていよいよターゲットが判明して、、ああなってこうなって、、なんだが最後まで緊迫感があって魅せる。

ジョージ・クルーニーはプロデューサーも兼ねているので誰も言い出せなかったと思うのだがちょっとミスキャストだなぁ~、、折角ハードボイルドで最後まで引っ張ったんだから此処はもっと無口で表情のない俳優さんが良かった気がする。以前ジェニファー・ロペスと共演した”アウト・オブ・サイト”(98年)風な役柄がこの手の犯罪ものとしては彼に合っているし”ファミリー・ツリー”(11年)のようにオロオロする男をやらせると抜群なんだが、、。

このポスターを見てこれは絶対以前見ているなぁ~、、と思ったが最後の最後までどんな展開になるのか判らなかった、、って事は見てなかったんだ、。