”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

女たちの遠い夏→遠い山なみの光

原題は”A Pale View Of Hills"、直訳すると”青白き眺めの丘”とでもなろうか?昨年ノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロの処女作である。最初に出版されたのは82年、日本語に翻訳されたのが84年、その時の邦題は”女たちの遠い夏”だった。当時しっかり読んだ記憶がある、、それが今度、家内が”日本の書店にうず高く積まれてたのよ”、で買って来た改訂版は”遠い山なみの光”になっていた。出版社もズルいよな、、これで我が家には同じ本が違うタイトルで二冊になってしまった、。

イメージ 1内容はかなり衝撃的なものである。お話が前後、それと登場人物が入れ替わるのでしっかり読んでないと、、”さてこれは何処だ?”になるのだが昔読んだ記憶は遠い山なみに飛んでいるので始めて読む気分で最後まで一気に二夜で読めた。

しかしこの訳者、、やたら単語をひらがな表記する、、かと思うと読めないような単語を漢字で表記、これにはちょっとイラつかされた。そんな記憶は昔はなかったと思うのだが、、。読んでいてチョッとでも気になると行間の合間合間で集中出来ないのだ。これだけは残念だった。



最初の邦題、”女たちの遠い夏”、、これも微妙に内容を示している。”遠い山なみの光”、、これはかなり文学的な表現でより原題の言わんとする事に近いかも知れない、何れにせよ出版社では頭を捻って考え出したタイトルなんだろう。

故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。王立文学協会賞受賞作。

ご自身が長崎出身という事もあるのだろう、2作目の”浮世の画家”でも長崎が舞台になっている。そして3作目が”日の名残り”、これは映画化されサー・アンソニー・ホピンズ&エマ・トンプソン主演で作品賞を初め数多くのオスカーを受賞すと言う素晴らしい映画になっているのだ。

一気に読み終わってしまったのには理由がある、、そう”ミレニアム シリーズ5”の上下巻が書棚で出番を待っているのだ、、コレは日本でも発刊されたばかりなのだ。

イメージ 2イメージ 3忙しいぞ、、もう自炊はヤメだ、今夜から読書スタートだが上下一気に読むとなるとどうやっても一週間は掛かるだろう、、夜メシを食わなけりゃ痩せるかも知れないし、、。

献立の心配もしなけりゃ買い出しに行く事もないし精神衛生上も都合が良い??でもエリーのエサは買いに行かんとダメかな、、。