これはちょっと忘れていた秀作だった、、原作はフランスのカトリーヌ・アルレーが56年に発表したものだが翻訳時は”藁の女”になっている。パトリシア・ハイスミスやもっと古いがアガサ・クリスティの向こうを張る推理小説専門の作家ですべて原語はフランス語だが日本語に翻訳されている。
こんなお話、、;
車椅子の老人チャールズ(ラルフ・リチャードソン)は巨額の富を持つ大実業家。そして彼の秘書をつとめるアンソニー(ショーン・コネリー)は甥であり、義理の息子でもあった。当然アンソニーはチャールズの唯一の財産継承者のはずだった。
しかしチャールズは、アンソニーには2万ポンド残すだけで、財産はすべて慈善事業に寄附すると遺言状にかいていた。そんなとき付き添いの看護婦マリア(ジーナ・ロロブリジーダ)がやってきた。その率直さと美貌はチャールズにとって、かけがえのないものになっていた。アンソニーは、そんなマリアと彼女の野心を利用して、言葉たくみにマリアを口説いた。チャールズにとりいり結婚して、遺言状を書きなおさせようというのだ。
アンソニーの計画は着々と進み、2人は結婚した。遺言状もマリア名義に書き直された。チャールズとマリアはアンソニーをともなって、遺言状の登記をするために船でロンドンに向かうのだが途中でチャールズは死んでしまう、、。
そんなミステリー犯罪もので”老人”+”膨大な財産”+”看護婦”+”若い甥”となると日本でもこれまで何回となく元ネタになってドラマが制作されている。ちょっと拝見したらこれまでもテレビドラマとして何回となく作られているしそれこそ”火曜サスペンス劇場”から”金曜エンターテインメント”までビックリするくらいの作品で原案になっていた。
この映画の頃のショーン・コネリーはもう007で大人気、完全にイメージはジェームス・ボンドだった。”ゴールドフィンガー”の撮影に入る前でヒッチコック監督の”マーニー”に出る前だったがもう何となく007が休暇で遊びに来ているって雰囲気の映画出演だったのだ。一方のジーナ・ロロブリジーダはイタリアから貸し出されて出て来た感じで妖艶さは満開だった。
まあどんでん返しと言うかあっと驚く犯罪ものと言うか衝撃的な結末ではあるが”太陽がいっぱい”、、みたいな屈折した若者の犯罪とは微妙に違う。もう完全なる確信犯ならぬ大人の身内の財産を狙った犯罪映画、、と言えば良いのか?コイツにもうふたひねりくらい足して脚本をもっと精査すると、、”情婦”に近づくかも知れないが、。そうなるとジーナ VS マレーネ、、と言う構図になりやっぱり映画としてはあっちに軍配を上げるっきゃないだろう、、。
”ナニ、遺言にはオレの取り分がそんだけ?”と爺さんを問い詰めている、、。
こっちはジェームズ・ボンドがたまたま休暇で立ち寄った屋敷で盗みぐせのあるマーニーを前に”もうそんな盗みはやっちゃいかん”と諭している場面、、。
そろそろ新作007の極秘情報が入って来るようでどうも又、スパイに話が行ってしまう。
最新情報、、007の25作目は来年末の公開が決まっている。そして遂に脚本家が選出されたようだ、。これが最後のダニエル・クレイグ主演になるのだが007が結婚するらしい、、っとなると”女王陛下の007”のリメイク?と勘ぐったのだがそうなるとスペクターの大将は前作のクリストファー、、、でも彼は出ないと言っているので違う展開になるのか?元ネタではイタリアン・ギャングの娘。トレーシーと結婚するのだが新婚旅行へ出た途端、スペクターに襲われ奥さんが凶弾に倒れてしまう。
そんなお話だったので主題はスペクターへの復讐劇になるのだが、、?まあ楽しみに待ってます。