”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”最後の同窓会”(17年)


日本のテレビドラマが収録されたDVDにこんなタイトルを見つけた、”最後の同窓会”、日本では昨年末に放映されているようだがこっちじゃ何の情報もないし取り敢えずどんな出演者か、、とテレビの前へ、。

イメージ 1こんなメンツが配役されている。皆さん60歳の設定である。

画面はいきなり市村正親の定年退職日、女子社員から花束を貰いスピーチを、、それがよせば良いのに思わず本音が、、即ち”お世話になりました”じゃなくて”大変お世話しました”、その瞬間、社員は一斉にそっぽを向いてしまう。恐らく会社ではそろばんを使っているし時代の動きに乗れず煙たがれていた様子がありありだ、、、。

角野卓造はこの同窓会の幹事、馴染みのスナックを貸切にして昔の仲間を”同窓会”に呼ぶために準備をしている。幼馴染のでんでん、、彼は娘と孫娘が一人いるのだが娘との折り合いが悪く、孫に明日の晩のピアノ発表会には”死んでも行くからね”とメッセージを送っているにも関わらずどうせ守れない約束でしょ、、と娘には完全に無視されている、。そして片岡鶴太郎、金属バットで大立ち回りを演じている、相手を殴りつけ何やらカバンを鷲掴みにして逃走している、、。最後の仲間内では唯一のマドンナだった松坂慶子、、一人息子とその結婚相手、嫁との三人暮らし、でも完全におヨメさんに仕切られていて現金も持ち合わせがない様子。この同窓会に出ることが楽しみで嫁の部屋に忍び込み銀行の通帳をくすね、しかも寝室の棚にあったブランド品のバッグまで持ち出して来る始末だ、、。

とそんな感じでテンポよく同窓会の参加者5人が紹介されて行く。みんな夫々に悩みや他人には明かせない秘密ありの生活ぶり、は脚本の良さもあって思わず家内に”お~い、、これ面白そうだぞ”と声をかけてしまった。すっかりワタシも登場人物の一人として”家内には無視され続けているジジい”を演じている雰囲気だった。でも考えたらこの5人の登場人物よりオレの方が断然先輩なんじゃないか、ガックリだな。

お話はその後、街の貸切スナックへ全員が集合し”最後の同窓会”と言う意味、そしてその晩に起きる各5人の物語、嘘や彼らが面と向かっている現実に焦点が合わさりどんどん進んで行く。会の冒頭、何せ親友同士とは言っても過去に二度ほどしか会ってない、なので夫々が自己紹介を兼ねて過去、現況を話し始める。

見ている側には冒頭の紹介でみんなが実際はどんな生活振りかは判るのだが各自は何も判らない。語られた事を信じるだけなのだが、、そこには嘘あり、虚栄心ありで皆さん本音は語らず、、一筋縄ではいかない逸話なのだ。

イメージ 2ハリウッドで同じような設定でやると13年の”ラストベガス”と言う映画に行き着く、、こっちは仲良し4人組が派手にラス・ベガスでパーティを開きドンチャン騒ぎを繰り広げるお話だった。主演は、マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロモーガン・フリーマンケヴィン・クライン、、日本の作品みたいに”お涙”は一切ないがそれでも最後にはホロリとさせる内容だった、、、。


日本の方は皆さん芸達者、(この世代の俳優さんなら例え日本には30年も不在でも判る)、、で思いがけない結末へ向かってすっかり見入ってしまった。世代的には我ら還暦世代が一番高比率で人口ピラミッドの上位を占めているんだからこんなドラマは受けるんじゃないだろうか?、、何せ今時の若者はテレビは見ないそうだし、。