主役は久し振りにずっと出ずっぱりでブルース・ウィリス、設定は72年に公開されたチャールス・ブロンソンの”狼よさらば”、それのリメイク、、と言うか同じブライアン・ガーフィールドの原作を元に制作された新解釈映画だ。リメイクと言うとどうしてもオリジナルの印象が強くてナニをやっても焼き直しじゃん、となるのだがこの”デス・ウィッシュ”は登場人物等は同じ配役名だがなかなか見応えがあるじゃないか?
チャールス・ブロンソン版では設計家のポール・カージーに扮してニューヨークが舞台だったが今度のポール・カージーは優秀な救急病棟の外科医、そして舞台はシカゴになっている。その作風は時代を経過してまさに現代風でスタイリッシュな復讐劇になっていた。
ストーリーはごく簡単、幸せな家庭生活を送っているカージー家にある夜三人組の強盗が押し込み奥さんは惨殺、娘のルーシーも撃たれて意識不明の重体に。ポールは緊急呼び出しを受けて手術室、その処置が終わったところへ担ぎ込まれるのが奥さんと娘の二人、、とかなり衝撃的な幕開けになっている。そして警察の必死の捜査にもかかわらず犯人逮捕には至らず痺れを切らしたポールが単独で成敗に乗り出す、、と言うお話だ。
最初はオリジナルはああだったこうだった、、とつい比較しながら見ていたのだがこっちの”デス・ウィッシュ”はちっとも”狼はさらば”していない。むしろ”狼よこんにちわ”で銃など持ったこともないポールが撃ち方の練習をして何の情報もないなかから一人、一人、、と押し入った三人組を追い詰めて行く。そんな派手な展開はないしカーチェイスもないのだがかなり丁寧にこのポール・パパの心理描写に徹していた。
そりゃ警察の必死の捜査(でも担当はたったの二人)では何も糸口が見つからずお手上げなのに一介の外科医がそんな簡単に犯人にたどり着けるかよ?と最初は斜めに構えてしまったがある晩、担ぎ込まれた瀕死の重傷を負った若者の腕に妻から送られた誕生日プレセントの時計が、、それが転機になる。そしてそのチンピラから携帯と銃を奪い、彼独自の捜査を進めて行く、。
オーストラリアでは成人指定18+らしいが”うん、何処が?”って気もしないでもない、だってセリフに関してはもっとスゴいのやヌード・パレード満載の映画もあるのに此方は確かに銃をぶっぱなす場面はあるが別に拷問される場面が頻繁にある訳じゃないしどうって事はないように思うのだが、。
確か先に見た”レッド・スパロー”と同じ時期に公開になっているがこっちは現在のところ日本未公開らしい。恐らく時間を経て公開されるかも知れないが”赤いツバメ”より断然良いと思うのだが、、ブルース・ウィリスが結構真剣で最後まで大活躍するし先の”狼よさらば”に習って続編もありかも知れないぞ、。いや~、アクション映画として還暦過ぎのブルースおじちゃんだがマクリーン警部は無理でもこんな役柄ならあと2~3本行けるぞ。