”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”マーフィの戦い”(71年)

原題は”Murphy's War"、主演はピーター・オトゥールで監督はピーター・イェーツのピーターコンビだ。好きな映画だし出来もすこぶる良いのだがどうも版権の所在か或いは配給権が消滅しているのかテレビでもFOXでもなかなか放映してくれない。モノによっては何回も繰り返し放映される映画があるってのに実に不思議だ。

ジャンルとしては戦争映画になるのだが主役は何とマーフィーと言うイギリス商船の機関士だ、背景は戦争末期、ドイツ軍のUボート潜水艦に船を沈められ仲間が皆殺し、それに復讐すると言う誠に勇敢、果敢そして悲愴な男の物語である。

確か原作では舞台が中央アフリカだったのが本編の撮影にベネズエラ海軍が協力してくれたお陰で南米に変更になったんじゃなかったか、。監督のピーター・イェーツはこの映画の前にはサンフランシスコを舞台にした超秀作、スティーブ・マックイーンの集大成とも言える”ブリット”(68年)を撮っている。

この映画ではイギリスの商船が攻撃され生き残った兵士達が復讐を誓うのだが一人一人倒されてしまい最後に残ったのはマーフィー一人、それがありったけの頭脳と知恵を絞り敵の艦長に立ち向かっていくのだ。無論機関士なので銃の撃ち方だって知らないしそもそも戦場に出た経験もないのだ、、。それがデカいUボートに立ち向かう、、実に素晴らしい内容なんだが敵の将校以外は殆んどマーフィーの一人芝居。

イメージ 1もう何年も見てない、そろそろFOXさんでも民放でも放映してくれても良い頃なんだが、、どうでしょう?取り敢えずFOXさんあたりは、、。

アラビアのロレンス”の時と同じ固い意志を持つ頑固者を巧く演じているのだが途中からもう取り憑かれたような狂信的、、或いは病的な執念でドイツ軍に立ち向かって行くのだ、これが実に説得力があって思わず彼に共鳴してしまう。

敵の将校達もたかが機関士と思っていたのだ大変な事態になっていると気が付くのは遅かった、まあ異色の戦争映画、復讐劇としてワタシの評価はかなり高いのだ、、。