”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”動く標的”(66年)

このところYahooはブログ移行ツールの配信は延期でやる気を失くしたし札幌の春陽気に誘われて引きこもり状態から脱皮、東に西にと動き回っている。それでも映画に固執しミステリーチャンネルに合わせるのだが気が付くとこんな古い映画を見ている、、先日”続・動く標的”(シリーズの続編)を先に見てしまったがやはりシリーズはこっちの一作目の方が出来も良かった、。

イメージ 1原作は49年にロス・マクドナルドが書いたもので原題は"The Moving Target”、それが映画化され劇場公開された時は"Harper"になり邦題は”ハーパー”じゃなくて翻訳時のタイトルをそのままに”動く標的”になっている。

主演のポール・ニューマンは無論一番の人気だったが彼以外の配役が素晴らしい、;

ローレン・バコール - 大富豪、サンプソンの妻で最初にハーパー探偵に夫探しを依頼する。
ジャネット・リー - ハーパーの別居中の妻。
パメラ・ティフィン - サンプソンの一人娘。
ロバート・ワグナー - サンプソンのお抱えパイロットで娘の遊び仲間。
シェーリー・ウィンタース - 元人気女優、、今や落ちぶれ飲んだくれ、、。
ロバート・ウェバー - その夫、、胡散臭い仕事をしている様子。

っとまあそんな制作費をふんだんに掛けた70mmではないのだが当時のレベルから見てもかなりの配役陣だった。夫々が一癖も二癖もありそうな雰囲気で一体だれが”良いヤツ”なのか、、この辺りの配役陣はアガサ・クリスティに通じるところがあったもんだ。

イメージ 2別居中の妻からは離婚を切り出されている私立探偵ハーパーは友人の弁護士アルバートの依頼で、前日に失踪した大富豪サンプスンの捜索を引き受ける。
 
夫人(ローレン・バコール)に会った後、ロスのベルエアーと言う高級ホテル内にあるサンプスンの別宅を訪れ、かつての人気女優フェイの写真を見つける。フェイの夫トロイは胡散臭いヤツで何やら犯罪人を思わせる。そのサンプソンの部屋に偶然かかった電話で、バー「ピアノ」に関係があることを知りハーパーは深夜乗りこむ。だが、歌手のベティは質問に答えてくれず、あげく、用心棒に叩き出される始末だ。そんな経緯からサンプスン誘拐の裏に何らかのシンジケートが動いていることを確信。

その頃、サンプスン夫人に50万ドルをよこせという脅迫状が舞む、。弁護士のアルバートに金を用意させ、保安官のスパナーとともに指定の場所に。やがて乗用車とスポーツカーが現れ、先に金を受け取った乗用車の運転手は殺され、眼を離した隙に現金はなくなっていた。

以前、サンプスンが宗教団体の指導者クロードに近隣の山を一つ寄付したことから、山頂の“雲の神殿”がシンジケートの本部と突き止める。ベティを尋問して現金のありかやサンプスンが監禁されている場所を聞き出したものの、ハーパーが駆け付けた時には既に死んでいて、事件に関わっていたと思われる仲間や証人たちもたくみに殺されていた。

そんな展開で一転二転、そして最後に逆転のホームラン、、とまさにこんな映画は探偵ものの王道だった、。主役のハーパーは確かにハードボイルドではあるのだがチョイと甘いところがある。その辺りはフィリップ・マーロウやサム・スペードとは微妙に違うのだが、、それでも果たして残っている容疑者はダレなんだ??