デンマークのベストセラー小説の映画化、その4本目となる本作がやっと有料配信で登場した。配信されたのは数週間前だが何とか字幕版をと探していたのに何処にもないのだ、、幾らデンマーク語はさっぱり判らねぇ~、、とは言ってもやはり映画は原語で見たい。でも何時になっても放映される気配がないのでこの辺で見とかないと配信が終わってしまう、なのでやむなく吹き替え版で見る事に、でもやっぱり違うんだな~、雰囲気が、。
”特捜部Q”と言う部門はコールドケースを扱う部署、日本の火曜サスペンス劇場なら”絶対零度”とか”遺留捜査”、”未解決の女”とか色々あるのだが主役の二人は性格は全く正反対のコンビ、しかもアサドと言う相棒はモロ、イスラム系で捜査時の手法も全く違うのだ、、過去の3作を見てないとナンでこいつらはこんなに反りが合わないんだ~、、と思うがこの4作目ではお互いかけがいのない相棒だって事が最後になって判明する。
背景は寒空のコペンハーゲン近郊でやっぱり北欧は雪が良く似合う、。本編の出だしは64年の夏のある湖畔での出来事、その出来事が軸になり過去と現在を行ったり来たりする、。
事件はいきなりとある市内のアパートの部屋で設計図に記載されてない壁がある、、と管理人からの申し出で解体業者が壁をぶち抜いてみると食卓のテーブルについたままミイラ化した死体が3体も発見される。そのミイラには下腹部が切り取られたものとかホルマリンに漬けられた内臓とか奇々怪々の様相だ。Q捜査部の主任刑事、カール(ニコライ・リー・コス)はこれまでずっと長期間も家賃を払っていた人物を探し出して事情を聞こうとするのだが、、。
相棒のアサド(ファレス・ファレス)はこのQ捜査部からの転勤を申し出ていて辞令が出るまであと1週間、そんな二人が事件を追う事になるのだがその事件の背景は思いもしない政府の権力者や医療界の上層部が関与してくる。これは日本でも最近問題になっていた強制不妊手術と同じ図式である。
日本国内では強制的不妊手術の実施件数は49年から急増し、50年代半ばをピークに減少に転じたものの、60年代になっても積極的に実施されていた。
49年には優生保護法において受胎調節が加えられ、経済的な理由での中絶を認める修正も通った。さらに、52年には審査手続きが簡略化されたために、中絶が急増した。これによって日本は人口増加の抑制を成功させた。そして優生保護法は中絶を認める法律という認識が一般に広まった。との記述もあるくらいでこの事件、デンマークだけで行われていた事ではないのだ。
そんな背景が途中から判って来る、さて真相は、そして当時不妊手術を強制的に受けさせられた少女たちは何処へ、カールとアサドは何度なく危険な目に遭わされながら一歩ずつ真相へ迫って行く。やっぱりソファからの乗り出し具合は火曜サスペンスドラマとはちっと違ってた、。
ミステリー満足度☆☆☆
主役二人の反発度☆☆☆☆
日本でもあり得る度☆☆☆