”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”愛と哀しみの果て”(85年)

原作を書いたのはデンマークのカレン・ブリクセン、(”バベットの晩餐会”)彼女が37年に出版した”Out of Africa”。翻訳時の邦題は”アフリカの日々”、それをベースに85年にシドニー・ポラック監督により映画化されたのだが邦題が”愛と哀しみの果て”、今なら絶対に”アウト・オブ・アフリカ”っきゃ配給元だって思いつくまいが、。

確かにこのタイトルじゃ絶対にハッピーエンディングじゃないよな、、っと映画ファンならずとも予想が出来る。原作を変更する訳には行かないがそれでも実に見事な邦題じゃないだろうか?アフリカでの生活を淡々と綴った今で言う所の”ブログ回顧録”なんだが視点を作者に置き換えてこんな邦題になった。

主演は当時人気絶頂のメリル・ストリープロバート・レッドフォードでこの二人がアフリカの大地を背景に素晴らしい演技を見せてくれる。

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デンマークに住むカレン(M・ストリープ)は、莫大な財産を持つ独身女性だったが、いつかこのデンマークを離れたいと秘かに思っていた。そのきっかけともなる出来事が起こった。彼女の友人のスウェーデン貴族のプロア・ブリクセン男爵(クラウス・マリア・ブランダウアー)と結婚することになったのだ。夢と希望を抱きつつ1913年、東アフリカのケニアヘと、カレンは旅発った、、、。っとそんな背景でストーリーが進んで行く。そしてハンターとして生活しているデニス(R・レッドフォード)に出合い親密になって行くのだが、。

再見しててふと思いついたのだがこれはアメリカの南部に舞台を置き換えるとレット・バトラーとスカーレット・オハラの”関係”に近いんじゃなかろうか?此方のカレンは無論既婚者としてアフリカへ渡って来てからデニスと会い恋に落ちるのだがそれも仕事であちこちと出掛ける合間に気が向いた時にしかカレンの元へ戻って来ないのだ。レットも実際にはどんな仕事をやっているのか判らず気が向くとスカーレットの元へ帰って来る、、そんな設定じゃなかったか?

そして共通するのは二人とも自由で居たい、幾ら愛していても”同居”はしないんだ、、と公然とカレンなりスカーレットに告げている点なのだ。こんな身勝手なヤツらでも女性は鷹揚な気持ちで受け入れてしまうのか?まあカレンは最後にはアフリカを後にしてデンマークへ帰るのだがスカーレットに至っては”私には明日があるの、、”っとレットの事などどこ吹く風、実に逞しく生きて行く根性が素晴らしかった、。

ヤフー時代を含めて絶対にこの映画の事は記事にしているので今回は違う観点から検証してみた。