”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

肝っ玉ギリシャ風結婚式!

この映画原題は”My Big Fat Greek Wedding”で邦題はそのままギリシャを抜かして”マイ・ビッグ・ファット・ウェディング”、、意味は判るが肝心のギリシャが抜けていてどうも釈然としない、、。現に日本ではさほどビッグ・ヒットにはならずすっかり忘れられた存在だ。
 
ところが制作は2002年、トム・ハンクスの奥方リタ・ウィルソンが舞台劇を見て大変気に入り、ダンナをたきつけて即座に映画化権を買い付け制作に入った。一人芝居風な舞台で主演もしていたニア・ヴァルダロスと言う女優さんは実際にはカナダ生まれだがれっきとしたギリシャの血を引く俳優さんでこの映画では脚本も書いている。
 
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その映画の制作費は100円換算で何と5億円、(昨今ブロックバスターと呼ばれる大作は高層ビル一軒とほぼ同額の300億円かかる)と言う格安なものであった。その辺りはトム・ハンクス夫妻の手腕の見せ所かも知れないがそれが何と世界的な”ビッグ・ファット・ヒット”をかっ飛ばしてしまいアメリカ国内だけで興行収益が250億円を越してしまい更にロング・ランの記録まで達成してしまった。
 
こりゃもう宝くじレベルである、、5億円が250億円(全世界からの収益は多分この3倍は硬い)になったらそりゃもう俳優業なんかやってられないでしょ、、。その勝因は勿論全世界に散らばるギリシャ移民とその子息、恐らくその殆どが見ているのではないだろうか。
 
このオーストラリアにもギリシャ移民は多い、映画館或いはDVDどんな手法でもその9割は見ていると断言出来る。それまでにすさまじい数字である。残念ながら日本にはギリシャ移民はそんなに居住してないしこりゃ最初から日本では”ビッグ・ファット・ヒット”は望めないのも無理はない、、。
 
ストーリーはごく単純、この典型的なギリシャ家族を持つニア嬢があろう事かアメリカ人を好きになり結婚へ、、そこへたどり着くまでのドタバタ劇なのだがまあ古い時代のオヤジは何処の世界でも共通するもんだ、、と思わせる場面も多く日本だってもっと熟年層からの支持があれば”リトル・ファット・ヒット”くらいは飛ばせたと思う。
 
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この映画で出演料1.5億円を稼いだニア嬢、今度はお国でTVシリーズを制作、それにも主演、すっかりギリシャの顔的存在になってしまった。良く見ると顔の作りは凹凸がはっきりしていて造作も大きい、まあ典型的な地中海風的、、と言う印象である。
 
そして年月は経過し柳の下を狙い制作されたのがこれ、、残念ながら日本では公開もDVDスルーもされず見たくても見れない状態だが結婚した彼女の続編ではなく今度は彼女をバスガイド嬢に仕立ててギリシャの観光名所を巡ってくれるロマンチックコメディである。制作には勿論トム・ハンクスが名を連ねているが公開は2009年、タイトルは”My Life In Ruins”と言って”ワタシの生活はどん底よ”みたいな感じである。
 
残念ながら17億円を予算計上して制作した割には収益が9億円に届くか届かないか、、まあDVD販売やTVの版権を売ってもトントンだろう、、。まあ前作のような訳には行かないがリチャード・ドレイファス以下の配役も良く95分でギリシャの観光名所を居ながらにして全部見れる、、。前作ではまだポッと出の駆け出し女優さん風だったニア嬢がすっかりギリシャを代表する女優さん風情になっておりこれも見所だ。
 
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