”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

邦題は”失踪人捜査、、”かな、

原題は”The Missing Person”、主役はマイケル・シャノンで2009年の映画だ。失踪して行き先が判らない人間を探す、、まあ私立探偵モノとしてはかなり定石、教科書通りかな、、。
 
イメージ 1オリンピックも一段落、、勝手にそう思っているだけですが、、週末で家内は不在、遅目の朝めしを作って(おっさんが)、、こんな事を書くと又、叱られる、午前中は自分ちの庭をキレイに掃除してさてエリー、どうするかね?と見るともう向こうは寝ているよ、、からかう相手がいなきゃしょうがない、で見始めたのがこれ、タイトルに惹かれたんですが、。
 
ニューヨークでしがない私立探偵をやっているジョンの携帯に朝っぱら見知らぬ依頼人からの電話、、”コレから其方へ行かせる秘書から写真を受け取って、その人物を尾行して欲しい”、電話が終るやドアのベルが、、、其処に立っているのは電話で言われた秘書殿、、写真と報酬金を持ってもう其処にいる、、。
 
オイオイ、、こりゃハードボイルドの秀作かい?と思わずのめり込んじまった、。このPI役のマイケル君、顔がいびつでいかにもゴツイ、私立探偵にはうってつけ、しかも朝っぱらからコーヒーにダボダボとジンを垂らす、じゃなくて注ぐ有様、殆どアル中状態である、しかも何処でも見境なくタバコ、、こりゃ絶対自分じゃやりませんがハードボイルド探偵の代名詞だよ、、思わずその先の展開を期待するじゃありませんか、、。
 
報酬に目が眩んだ、、と言うかイヤイヤその仕事を引き受けて写真の人物を追いかける事に、、その相手はシカゴの鉄道の駅に入って行く。しかし一人じゃない、どうも子連れだ、、イヤな予感を引きずりながらロス・アンジェルス行きの長距離寝台車に乗り込む。列車内では目を光らせ名も知らないその尾行相手の目を忍んで一泊二日の旅程をこなし無事終点のロスへ、、そこでもタクシーに無理を言って尾行を、ホテルに入った相手にくっ付いて自分もホテルにチェックイン、、、ここまではテンポも良く、さあどうなる??と思いつつ興味一杯に時間が経過して行く。
 
翌朝、ホテル前でレンタカーをして待っていると尾行相手は相変わらず子供連れでタクシーへ、それを追って何処までも行くのだがナンとそのタクシーは国境を越えてメキシコまで行くではないか、。この辺りは限りなくハードボイルドなんだがな~、、で独自に尾行する相手を調べてみるとどうもコイツは9.11で死亡宣告を受けた人物だと判る。最初彼にこの尾行を依頼して来た人物の依頼人はこの彼の奥さんである事が次第に判ってくる、、。でも何故、、本人は死んだ事になっていて奥さんの元には帰る気もないような、。そして一挙に後半クライマックスとなるのだが、、ナンか最終的にはクオーター・ボイルド・エッグ、、、、かな。想定としてはかなりこれまでの私立探偵さんを超えるようなストーリーなのだが、、残念ながら全部が中途半端、マイケル君の探偵振りも殆どアル中で、、それなりにハードで良いのだが、、、残念だな、、もう一歩及ばずだした。
 
やはり雰囲気、脚本、背景、ストーリー、、、ついでに音楽、撮影、、、全てを集結して良い映画を制作するのは大変な事である。配役は勿論重要な要素だが上記全てが整ってから初めて演技陣に頼る事になる、演技だけがずば抜けて良いケースもあるのだが今回のこれは、、、ウーン、かな。例のキュービック・パズルと同じで一面だけが揃っても良い映画にはならない、、せめて二面は揃わないと鑑賞には堪えれないかな、作る側は最初っから4面全部揃えてやろうとしているのだが、、、やはり世の中上手くは行かないものだよ。