”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

新作”アルゴ”、、決死のテヘラン脱出。

原題は”Argo”、その、決死のテヘラン脱出劇のなかで架空に制作される映画の題名である。79年に実際に起こった人質事件の顛末を詳細に描いた”秀作”だ。監督兼主演がベン・アフレック、、来年早々に開かれるオスカーでは必ずやノミネートされるんじゃないだろうか、、ひょっとすると監督、主演、作品、、、と3冠王がかかるかも知れない。
 
イメージ 1終始むさ苦しいヒゲ面だがまあ時代設定が79年なので喫煙と共に許してやろう、。実はプロデューサーも兼ねている、それもジョージ・クルーニーと一緒に名前を連ねているのには又、ビックリなのだが、、。
 
映画の幕開けはテヘラン市内、群衆がアメリカ大使館前で抗議デモ活動を行なっている。何時の間にか大群衆になり制御が利かなくなった暴動者が塀を乗り越え大使館内へなだれ込んでしまう。そのなかで6人のスタッフは難を逃れ近所のカナダ大使館大使公邸へ逃げ込む事が出来た。
 
その6人を助け出す為にCIA救出担当官、トニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼びつけられ対策を講じることになる、。強行突破意見や陸路自転車で逃げる案だとか検討されるがどうもCIAやホワイトハウスでも妙案が思いつかない、、。そのトニー、晩になって別居中の奥さんに引き取られている息子に電話をすると、”今、猿の惑星を見ているだ~、”で自分も自室のTVをつけてみる、、これが大ヒント、。そうだっ、ハリウッド映画制作にかこつけてカナダ人クルーでテヘランに入った事jにし彼らを無事連れ帰ると言う案はどうだ、、そして架空の映画”アルゴ”制作、そのロケハンの為に乗り込んで行く。勿論ちゃんとした映画制作の為の記者会見やら大物プロデューサーやら脚本からコンテ、特殊撮影技師まで用意しないといけない、、ハリウッドの大物を選んで着々と計画を立てる、。
 
ここまでテンポ良く一気に見せる、、凄いじゃんベン監督、、それに演技も、、すっかり落ち着いて、年齢のせいか、信念を貫くCIA担当官を好演している。この作戦で行くと決心するシーン、、設定は全く違うのだが思わず”アラビアのロレンス”でオーレンスが砂漠で一睡もせずに最後、”アカバ、、”と一言頷くシーンを思い出した。絶対賭けても良い、このショット、ベンちゃんもあの場面を思い出していたハズだ。帰りは一緒に帰って来るので行きは一人で行くっきゃない、そしてトルコ経由で一路イランへ入国。先ずカナダ大使、それに人質になっている人達を説得しないといけない。それも時間が迫っている、脱出前に大使館でシュレッダーにかけた資料を復元してどうも6人が居なくなっているんじゃないかと敵は疑心暗鬼、カナダも大使館を閉鎖して引き上げるので何時までも公邸に隠れている訳にはいかん、。
 
もうこの辺からハラハラドキドキ、、ドキドキハラハラ、、全く大掛かりな追っかけシーンや拳銃をぶっ放すシーン、スタントが転げ回るシーンは一切ないにもかかわらず見せる。これはもう監督の手腕だろう、。それに各種小道具から背景や建物まで、79年当時をそっくり再現しているのには驚かされる、しかもCGじゃないぜ、。
 
まあ実際どうなったかこの時代を検証した爺様には結末は判っているのだが、それにしてもグイグイと最後まで引き込まれる。こりゃ絶対ハリウッドが好きな映画だぞ、、、そんな訳で来年のオスカー取り最先端に踊り出た”アルゴ”ではないだろうか、、、宇宙を舞台にした”スターウォーズ”風の映画だったそうだがそれも見てみたいかな??確かにテヘランの街の向こうに見える山並みを何処か宇宙の別天地に仕立てるのも悪くない。
 
丁度120分の映画に15ドル、、、こりゃ大いに楽しめた、、爺評価メーターではあと余計に10ドル、25ドル出しても見たい!!