”The”が付かない”ヒート”は主演、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの3時間近い大作で、プロの銀行強盗団とそれを執念で追う刑事のクライム・ドラマだった。そして”The”が付く方はサンドラ・ブロックが正統派FBI捜査員、おデブのメリッサ・マッカーシーがボストン市警のズッコケ刑事さんでひょんな事から二人がパートナーを組んで事件解決にあたる。
この”ザ・ヒート”では一応正統派FBIの役柄なんだが相棒のメリッサにすっかり感化されちまった。兎に角まあセリフが凄い、、日本の悪態は”バカ”、”くそったれ”、”ドジ”、、、など等だが英語の悪態はそりゃもう”FFFFF”のオンパレードだ。こんな性的悪態は一体字幕や吹き替えでどう対処するのか、戸田先生に伺ってみたい。
現実社会でもオージーに限らず若者の会話には酷いものがある、それこそ二言目には”F”がはいるし”S”は連打、、連打、、こうなるともう語彙が乏しいとしか思えない。そんな風潮を増徴しているのか映画がその影響元なのか、、そんな事を考えさせる映画だった。
この劇場用ポスターもなにやらレトロ調と言うかゴッチャ感が強いしその映画の内容を上手く表しているような、、ニューヨークでキャリアーFBIのサンドラはやる気満々、決して同僚として好かれる存在ではないのだが優秀で昇進狙いの捜査員だ。ある麻薬取引の事件で更なる昇進を願ってボストン派遣を願い出る。そこで出合うのがメリッサ、、。
メリッサはその体型、性格、言動から同僚から疎まれているのだが優秀なデカだ。そして互いに嫌々ながら相棒を組み事件の真相に迫って行く訳だがそのメリッサのセリフが凄い。もう全編悪態のオンパレード、、状況によって使う”F”でも全く意味が違って来るし言いたい事も違って来る。”S”だって普通には”クソッ”で済みそうなもんだがそれが”畜生”とか”バカにしやがって”とかに変換するので字幕製作はそりゃ大変だろう。
これがその二人、メリッサのほうは結局最初っから最後までこの衣装一つ、劇中サンドラに”アンタ、何時もそれ着ているのね?”と言われる始末で衣装代は全くかかっていない。
女性コンビものは珍しいかも知れないが既にこれも続編の制作が決まっているそうな、、そんなにヒットしているのかどうか判らないが”ゼロ・グラビティ”でのサンドラを見ると次作は辞退したいのではないかな~、、と余計な事を考えてしまった。これじゃ以前の”コメディアンヌ”的役柄に逆戻りだし、。もし来年オスカーを再度受賞するような事になったらこの映画は後悔するんじゃなかろうか、。