”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”リスボンに誘われて”(13年)

この映画、ブロ友さんの”記事に誘われて”見たいな~、、と思っていた。それが毎度のFOXさん、何気なくダウンロード可のラインアップを見ていたら”Night Train To Lisbon"とあるじゃないか、、こりゃひょっとして同じ映画かなと配役を見るとジェレミー・アイアンズシャーロット・ランプリングとある。もう間違いなしだ、、原題が”リスボンへの夜行列車”なので翻訳時の邦題をそのまま使ってくれても良いのだが、、原作の翻訳時についたタイトルが映画化に際して変更されるケースが多いのだが観客は混乱するばかりだぜ、。

イメージ 1映画の舞台は最初はスイスのベルン、其処で古典文学の教授をしているライムント(J.アイアンズ)は登校中、橋桁から身投げをしようとしている赤いコートの女性を見つけ身を挺して欄干から路上へ抱き下ろす。やむ無く自分のクラスへ連れて行き壁際に座らせるのだが彼女はコートも着ないままナニも告げずに去っていく。

こんな出だし、、ちょいとミステリアスな導入部で膝を乗り出しちまう、。

イメージ 2
48年、イギリス生まれのジェレミー、、芸歴は長く70年代はずっとイギリスはBBC制作のテレビドラマ畑を歩きフランス軍中尉に誘われてメリル・ストリープの相手を演じたのが81年。この映画で脚光を浴びるもハリウッドとは一線を画し95年に”ダイハード2”でハンス・グルーバーの弟を演じるまではアメリカでの知名度は低かった。学生時代から演劇を学びシェークスピア劇などのドラマを演じていたので彼のセリフ回しと独特の発音は大きな魅力だ。ナレーションもやっているがアメリカ人には絶対に真似の出来ない”正統派イングリッシュ”だ。

そのライムント教授、居なくなってしまった女性のコートを探ると一冊の詩集のような文庫本が出て来る。作者はアマデウ・デ・プラドと書いてありページをめくると一枚の乗車券が、、。その切符がリスボンまでの夜行列車で出発時間まであと15分、慌てて駅まで辿り着き彼女を探すが何処にも見えない、ライムント教授は職場放棄をして今度はそのまま列車へ飛び乗ってしまう。スイスのベルンが舞台だったからリスボンまではそりゃもう長距離も良いとこだ、アメリカ大陸に当てはめるとニューヨークからテキサスくらいあるぞ、、しかもスイスからだとフランスやスペインも経由せにゃならずパスポートがなきゃ困るんじゃないのかい??時間設定では24時間程度の夜行列車となっているが日本の新幹線じゃあるまいしそんな距離を24時間じゃ無理だよ、、それに携帯電話の充電器だって持っている訳ないだろうし、そんな事はどうでも良いのだがどうもジジイには気になってしまう。

その車内でこのアマデウが書き出版した文庫を読むうちにお話は74年、ポルトガル共産党と独裁者、サラザールが対立したカーネーデョン革命、、更にはアマデウが血気盛んな同胞青年たちと抵抗運動に携わっていた60年代の背景に飛躍していく、。ライムントは先ず作者だったアマデウの実家を訪ねる事に、、其処にはエイドリアナ(シャーロット・ランプリング)が今でも住んでいるのだが兄のアマデウは不在だと告げられる。其処から又、謎が、、、。

っという展開でライムントはスイスに帰れずそのままアマデウの事を調べ、謎の赤いコートの女性を見つけ出す決意をするのだが、、配役はクリストファー・リーやトム・コートニーが重要な役どころで出演していて最後まで謎解きの要素を残し結果ライムントの自分探しの旅にもなって来る。

リスボンの街並みを背景に初老のライムント、、妻とはとっくに別れているしスイスに帰ってももう”職場放棄”した教職には戻りたくない、そんな心情と言うかそんな自分の環境を忘れていたいと願う気持ちが根底にあるものか必死に”謎の女性”を探すライムントには共鳴出来るしこんな役柄はジェレミーにピッタリだ。大いに楽しませて貰いました。

原作はパスカル・マーサーと言う人が04年に発表したものだがこれは読んでみたい、、アマゾンさんお願いしますよ、、。


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。