この映画、原題を”Last Chance Harvey"と言う。以前にも記事にしているのだが邦題は”新しい人生のはじめかた”、、08年の制作なのでもう8年も前になるが当時は”新しい、、”とか”人生の”とか”特等席”がキーワードだったような気がする。”最高の人生の見つけ方”なんてヒット作もあったがこれは完全に柳の下のドジョウ狙いじゃないか??
原題の言わんとするところは”ハーヴィー最後のチャンスだぜ”と言う感じなのだが主演はダスティン・ホフマンにエマ・トンプソン、、ロンドンを背景にたった数日(週末)を描いた作品なんだが妙に主人公の”胸の内”に共感してしまった。
この映画の主人公と同様、自身の娘の結婚式に出るので長距離を飛行機に乗ったと言うこともあり(実際には10年の8月なのでこの映画はそのチョイと前)、娘の式に参列するオヤジの心境がしっかり描かれていたし一歩間違えばこのハーヴィーと同じ事をしていたのではないかと思いつつ映画を見ていた記憶がある。無論、海外の街で新たな恋に落ちた訳でもないし家内同伴だったのでこの映画のようにはなるハズもないのだが、、そこはチョイと残念か。
離婚してニューヨークで寡婦暮らしのハーヴィー(D.ホフマン)は娘からの連絡でロンドンへ向かう事に、、もう長い間会ってもいない一人娘の挙式に参列する事に、。そして導入部、一人機上の人になるのだがこの短いシーンでハーヴィーの性格、と言うか離婚に至った経緯、奥さんが愛想を尽かせた理由が何となく判る。
そしてロンドンのヒースローへ、最初のケイト(E.トンプソン)との出会いは統計調査の依頼を受ける場面、ケイトは空港で旅行者かにアンケートを取る仕事をしているのだがハーヴィーはけんもほろろに断ってしまう。そしてタクシーでホテルへ、、ところが予想に反してホテルにはハーヴィーだけが宿泊するらしい。電話で娘から聞いたのは両家の参列者全員がホテルへ泊まり晩餐会、そして翌日の式に備えると聞いていたのだが、。
この辺りからハーヴィーの機内での振る舞いや”自己中”で周囲の空気を一切読まない、読めない性格の一旦が表面化する。そんな性格なので元妻からも疎まれ再婚してからは娘とも疎遠になっているようだ。
それでも娘からの電話でディナー会場へ向かう事になるのだが新品のジャケットには袖にまだ盗難防止用のプラスティックのデカいタッグが付いているし席も折角、娘の向かいだったのにやたら携帯電話で中断するので戻ってみると末席に移されている始末。本人は一生懸命努力はしているのだがどうも上手く噛み合わない、、、そんなハーヴィーをダスティン・ホフマンが好演している。
ディナーの後、ハーヴィーは娘に”ごめん、、本当は明日の式にも出たいのだが急用でニューヨークへ帰らないと、、”と心にもないウソで自分はさっさと退場する決心をする。そして翌朝、空港へ向かうのだが渋滞に巻き込まれ飛行機には乗り遅れる始末。例の傍若無人ぶりで航空会社カウンターで何とか乗せてくれ~、、と叫ぶが幾らなんでもそりゃハーヴィー、無理だよ、。
そんなむしゃくしゃした気分で時間つぶしに空港のバーカウンターへ、、そこでやっと仕事から開放され一人本を読んでいるケイトと出会う事になる。”オレは世の中で一番ダメな男さ、、娘の挙式からは逃げ出し、飛行機には乗り遅れ、、しかも仕事もクビ、、こんな不幸を一度に抱えた男はそうザラにはいないぜ”とケイトに毒つく始末だ。
そう言えば”マイレージ・マイライフ”も空港のバーが出会いの場だったな、、確かに空港のバーは良く使われる場所だ、。実はケイトはケイトで分刻みで母親から携帯に電話が掛かってくるし合コンへ参加しても気が付くと肝心の相手は違う女性と意気投合しているし、此方もずっと独身で仕事以外で人と接するのは不得手、不器用で孤独な生活を送っている。
この週末の一日、ハーヴィーとケイトがロンドンの町並みを背景に散策する場面はとても良い、、時間の経過と共に話が進み、、ケイトが”やはり大事な娘さんの式には何としても出なさい”となる。それでも躊躇するハーヴィー、”もし一緒に行ってくれるなら”となり”こんな洋服じゃダメよ”になり”それじゃ上限を決めてオレが出すから、、”になり結局二人で披露宴が行われているホテルへ向かう事になる、、。
とまあ大人の出会いそして、、”新しい人生のはじめかた”と言えばそうなんだが週末を一緒にいたからだけで決心するのはチョイと無謀かな??それに歳の差もあるし、でも最後はほんわか、二人がやれるだけやってみようと又、ロンドンの街中へ出て行くラストにはホロリとさせられる。
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