”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”さざなみ”(15年)

昨日の”スタンドアップ”に続き今日はイギリスの片田舎へ飛んで映画”45 Years"を見る。邦題は”さざなみ”(15年)、原題の意味になっている”結婚生活45周年”をそのまま邦題にせず奥さんの微妙な心境を綴って”さざなみ”としている。これはなかなか巧い邦題だしこの二日間、連続して素晴らしいものに出会えた。実はこれも”ブログ友連合会”の;


の皆さんのブログを拝見、紹介されていた作品で何とか此方でも見れないのか、、っとずっと気になって検索していたのだが偶然にもFOXで配信され早速録画させて貰った。海外にいて日本の皆さんにご紹介頂きイギリス映画を見るってのも不思議な気分ですが、皆さんには大変お世話になっております。何せ事前にご覧になった感想を読ませて頂いているので此方はひたすらタイトルを追えば自然と良い映画にぶち当たる、、と言う図式であります。このトム・コートネイのスピーチのように”皆さん本当にありがとう御座います”あっ、映画じゃ(´;ω;`)んだった、、。

映画はモロに地味系、、山なし、谷なしの平坦な道のりなんであるがどうしても目が離せない。それが妙に自身の結婚生活にダブるのだ、、。主演はシャーロット・ランプリング、、夫役がトム・コートネイ、、ストーリーは僅か一週間のお話なのだが”なみかぜ”のたっていなかったごく普通の夫婦生活の日常に妙な具合に”さざなみ”がたつのである。

イメージ 1もう舞台劇としても良いくらいこの主演二人に集約される設定、お話である。

イギリスはノーフォークの片田舎、、これが又とても良い設定だ。刺激はないだろうが理想的なリタイアメント生活を送る夫婦、、それが結婚45周年を祝うパーティを企画、その当日が土曜日、、そして映画はその週の月曜の出来ごとから始まるのだ。

主演のケイトを演じるシャーロット・ランプリング、おっさん世代にはなんと言っても忘れられない”愛の嵐”(74年)で官能的なルシアを演じたその人である。この映画、原題は”The Night Porter"と言う、それを”愛の嵐”だと、、、実に映画の内容を的確にそして見事に再生した素晴らしい邦題ではないか、、。映画の評価は別としてこの映画でナチの将校(ダーク・ボガード)の前で披露したサスペンダーだけの”踊り”は映画史上に残る名場面である事は間違いない。

その長き芸歴のシャーロット・ランプリング、、現在も7本が制作中或いはクランクアップを待っている状態、、70歳を過ぎてなおかつこの活躍ぶりには本当に驚かされる。二度の結婚を経てスラリとした肢体は今も健在、この映画でも体当たり演技で観客を最後まで圧倒してくれる。

movie walkerからそのストーリーを拝借すると、、、;

ノーフォークの田舎町に暮らす夫婦、ジェフ(トム・コートネイ)とケイト(シャーロット・ランプリング)は、結婚45年になる。子供はおらず、仕事を引退した今はささやかな日常生活を送っている。土曜日に結婚45周年祝賀パーティを控えた月曜日、ジェフに一通の手紙が届く。50年以上前、雪山でジェフの恋人カチャがクレパスに落ち、行方不明となっていた。そして雪が溶け、当時の姿のまま発見されたので遺体確認に来てほしいというスイスの警察からの手紙だった。

ジェフが”ぼくのカチャ”と不用意に口にしたとき、二人の日常に微妙な変化が訪れる。ケイトに事情を説明するジェフは目の前の妻の存在を忘れ、上の空となっている。ケイトは家の中に冷たいものが入り込むのを感じる。祝賀会の下打ち合わせに出掛けたケイトは、時計店でスイス製の高級時計を見つけ45周年の記念に夫にふさわしいと思うのだが家に電話をしても夫は出ない。何かに気を取られて電話に出られないのだと察し、ケイトの気持ちに陰りが生まれていくのだ。

ケイトが家に戻ると、ジェフはいつもの夫に戻っていた。しかし夕食の席で、ジェフはケイトにカチャとの出来事を語り出す。警察には夫婦と言ってあり、カチャはおもちゃのような指輪を左手の薬指にしていた、と。ケイトは余裕の表情でやり過ごすが、内心は話を切り上げたくて仕方なかった。ケイトは存在しない女への嫉妬心を重ねていき、夫へのぬぎいきれない不信感を募らせていく……。

そんな乙女心じゃなくて老婆心じゃなくて熟女の”心の揺れ”を見事に演じ切るのがシャーロット、、ラストに二人が”煙が目にしみる”に合わせて踊るのだが握っていたジェフの手を振りほどく、、この場面の演出が誠に見事である。場面はもうジェフの表情や周りの出来ごとを一切撮さず瞬時に切ったように暗転、、The Endである。

イメージ 2
このエンディングはかなり衝撃的でさて翌日の日曜日は一体どんな事になっているのだろう、、と思わず勘ぐってしまう。まあ見ている側の世代にもよるのだろうがこれは映画の世界だけの事だとは俄かに信じられないのである、、。

このスチールにせよ夫役のジェフはピンボケ画像、、ケイトにぴったりと焦点が合っている、かように女性の側から見た映画になっているのだが、、。背景にかかる音楽、曲がモロ我等世代と重なるのだ、丁度ラジオから流れていた曲そのままに、、そう言えば我らも同じ時期、そして環境なのかと思うと何となく落ち着かない気分になってしまう。こりゃ仕事を辞めて悠々自適にリタイアメントですよ~、、何て言わぬが花よ、、まあ真夏のプールで掃除中、熱中症でブッ倒れてプールに浮いていた何て事にだけはならないよう気をつけるっきゃないだろう。

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