”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ソレス”(16年)

原題が”Solace"だからそのまま”ソレス”かぁ~、、ちょっと情けないぞ、こりゃ。そもそもの意味は”慰め”とか”癒す”って事で007では”Quantum Of Solace"を”慰めの報酬”とかこれも訳の判らない使い方をされていた。でも今回の場合は”ソレス”だけ、かなりコワいミステリーなのでもうチョイと捻って欲しかった。

主演はサー・アンソニー・ホプキンズにアビー・コーニッシュ、最後まで何処かで見たな、、、と思い続けて結局判らず、調べたらこよなく好きな”プロヴァンスの贈り物”(06年)に出ていた。若いバックパッカーで異母兄弟のラッセル・クロウを訪ねて来る役だったのが今回はもう立派になっちまってFBIの捜査官だった。

背景はアトランタ、何とも理解不能な殺人事件が勃発する。担当のジョーとキャサリン(A・コーニッシュ)はその手口からこれはシリアル・キラーの手による連続殺人を視野に捜査を始めるのだが、。幾ら考えても判らない、そこでジョーは親友で今は引退している犯罪心理学者のジョン・クランシー博士(A・ホプキンズ)に犯人心理分析を依頼する事にするのだが、、ジョンは2年前に一人娘を亡くしたトラウマからもうオレには捜査は出来ないと最初は断るのだ、。

イメージ 1この爺さん、実は単に犯罪学上の権威と言うだけではなく犯罪者がどんな心理状態で殺人をするのか予知する事が出来る能力も持ち合わせている、、そこがハニバル・レクター博士とは違った。そしてシリアル・キラーの映画としては先の”セヴン”に近いものがある。

既に3つの殺人事件が起こっており殺害方法は全部同じ、、そこでクランシー博士は死体の検証をすると共に親族を訪ねる。最初は12歳だった少年、親に再度訪ねるのだが病気だった訳でもないし健康そのものだったと両親は証言する。

それでも解剖に同意させ早速調べると、、その子には脳内に大きな腫瘍が見つかる。更に他の身体からは末期癌や二番目の女性からはHIV感染の兆候が、、これは単に殺人を犯しているだけではなく寿命が尽きる人たちが殺害されているのではないか?

此処まではありゃ”セヴン”を超えている?と思わせるし他の犯罪映画よりプロットが見事だぜ、、となるのだが、。やはりアンソニー博士が”魅せる”な、、かなりお年を召してしまったがそれでもこんな役柄は実に巧いのだ。

事件はそれから一転二転、、FBIの全国データベースから真犯人に辿り着けるのか?クランシー博士曰く、”真犯人には俺以上に先を見越す力がある”、、その通り最初に辿った捜査では別の殺人犯に行き着き、結局逃げた容疑者をキャサリンと追うが車が大破、立ち向かって来た犯人を射殺する羽目に、。そしてやっと真犯人と疑うべく人物、、チャールス(コリン・ファレル)の登場となる、。

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これは”プロヴァンスの贈り物”撮影中のスチール、ラッセル・クロウも若かった、、。マリオン・コティヤールがメインの女性役だったがこの時のアビーは腹違いの兄をフランスまで訪ねて来る役。


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そして此方が11年が経過して今回のFBI捜査官役のアビー、すっかり変わってしまった。この二枚のスチールから同一人物と判断するのは劇中、クランシー博士が検証しても判らないくらい、、そんなハズはないか?

実は82年、オーストラリア生まれの生粋のオージーである、、うんって事は俺たちがオーストラリアへ流れ着いた頃はオシメ??もうアラサーど真ん中になっちまうが楽しみな女優さんである。