又、こんなヘンテコな邦題だよ、、”ペイド・バック”、、って”払い戻し”じゃないか??原題は”The Debt”(10年)と言うスパイ・ミステリー仕立ての傑作だ。そのまま翻訳すれば”負債、、借金、恩義、負い目、、”だがこの映画の場合は昔の出来事の真実を語るって事なので”告白かざんげ、、”みたいな意味合いかも知れない。長い事封印していた事実を良心の呵責に耐えられず告白すると言う事なのだが、、。
Victoria/至上の恋”のジョン・マッデン、、と来ればこりゃ期待一杯/胸いっぱいです。
映画は1965年、イスラエルの特殊工作部、モサドに所属するレイチェル(ジェシカ・チャーステイン/ヘレン・ミレン)、デイビッド(サム・ワーシントン)、とステファン(トム・ウィルキンス)が東ドイツに潜入しそこで今は開業医として医院を経営するヴォーゲルを捉え戦争犯罪者としてイスラエルの法廷に引き出す任務を受ける。
このヴォーゲルはナチの戦犯で戦時中は生体実験を取り仕切っておりユダヤ人から見ればそりゃもう極悪非道な医者である。映画の初めはこの3人が任務を完了し英雄として祖国へ到着する場面から始まる、、そこから現在のレイチェル(ヘレン・ミレン)が出版社へ勤める娘の手伝いでこの当時の伝記を出版する場面へ飛ぶ。そうお話が65年と97年の現在を行ったり来たりするのです。
三人とも影武者じゃないが65年当時は別の俳優さんが演じているので最初はしっくり来ないが快調な出だし、、。派手な展開は一切なく超現実的な制作方針なので本当にああだったんだな、、と思わせる。オリジナルは例の”ドラゴン・タツゥーの女”と同じでイスラエル本国で最初に映画化されているのでこれがリメイクとなるらしい。しかも実際にあった出来事をベースにしているので緊迫感が違う。このヴォーゲル医者を拉致する場面も”ドカン、、ボワーン、、”じゃなくて真実味が一杯。最初はレイチェルが患者として近付き、盗み撮りをしてその正体を確認し、さらに巧妙な手段で拉致、そこから西ドイツへ逃れる計画だったのが思いがけぬ手落ちで三人、プラス拉致したヴォーゲルの4人はアジトに隠れる事になってしまう。
これが若いレイチェルを演じるジェシカ、、やはりどことなヘレンに似ているかな、、。
以下、、ネタバレです。
三人交代でヴォーゲルをイスラエルへ連れ戻す作戦を練るのだがなかなか本国から通達が来ない、、ある日若いデイビットはヴォーゲルに食事をさせている最中に挑発され思わず手にした皿を顔面に叩きつけてしまう。デイビットの憤怒を沈める為にステファンが外へ連れ出すのだが、、その皿の欠片を手にしたヴォーゲルは隙を見て縄を解き脱出、、それにレイチェルが気付き逃げる背中に発砲、やむなく射殺してしまう。それが事件の顛末として97年に語られ出版される伝記にもそう書かれているのだが、、。飛んで97年、今はモサドの要職にいるステファンは当時の出来事を回想するのだが、、実際に起きた事とは違う、、、おっ、これってネタバレじゃない??ネタレバで終わりです、、。ともかくこんな”微妙”で時間を忘れさせてくれる映画が日本では公開されてない、、いきなり8月にDVDデビューしたらしい。このキャストでも劇場公開はダメですかぁ??おっさんはこんな映画好きですよ、、、2000円でもOKです。