”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ブレードランナー2049”(17年)

やっとやっと、、やっと見て来ました。公開されてもう4週間近くになるので同じシネコン内でも大型館は”マイティ・ソー”に譲ってしまい一館だけでの上映、それが何とシニアでしかもメンバー会員だと言うのに19.50ドルも取られた。やっぱり週末は行っちゃダメだ、、それに3時間を越すと駐車場代まで徴収される、、平日ならもっと安く見れるのだ。

映画は2時間40分と長いのでCMと予告編をやっている最中にトイレに行って万全を期す。でもそんな事はすっかり忘れて最後までど真ん中の席に釘付けでした。

もうストーリーは色々な所で読めるし多くの映画ファンが感想も書いているので割愛、でもアメリカ本土から漂ってくる評判は賛否両論らしい。思い返すとオリジナルの”ブレードランナー”(82年)が公開された当時はもう誰にも相手にされなかったし劇場公開もあっと言う間に終わってしまい収益も大ヒットとは程遠かった気がする。

元ネタはディック・フランシスが68年に書いた短編小説、”アンドロイドは電気羊の夢を見るか?”と言うタイトルで確かに書かれた時期を考えるとかなり革新的で斬新な構想だったが主人公のリック・デッカードはロス市警の刑事なんだが賞金稼ぎも兼ねていた、、更にレイチェルは18歳で確か最初っからアンドロイドと言う設定だった。なので映画化ねぇ~、、見に行くのはSFファンだけじゃないの~、、程度にしか思われていなかったのだ。それがリバイバルやテレビで放映される度に評価はうなぎ登り、遂にはSF映画の金字塔だ、、とまで言われている。そうなるとこの”2049”もこれから30年くらいが経過してタイトルと同じ時期にはSF界の”プラチナ塔”と呼ばれているかも知れないぞ。


前作と違ってちょっと今回は複雑で込み入っている。でも小説、そして82年度版を見ているともうこれっきゃないだろう?と言うストーリーだ。ワタシは今だにあの木彫りの馬の足と、枯れた木の根っこに同じく彫られていた”10・16・21”の意味が判らないのだ、、そのまま”10月16日、2021年”と読めば良いのだろうか?そうなら背景が”2049年”なので28年前にレイチェルが亡くなった日、或いは子供を授かった日と解釈出来るのだが?

イメージ 1

映画の背景はロス、サンディエゴ、、そしてラスベガスと転々とするのだが現在の面影はゼロ、、スモッグと雨に覆われ前作と同じ風景だ。そしてどうやらこの”2049”も此処では終われないんじゃないかい?次回の配役はどうするんだろう??まあ同じ型のレプリカントモデルを作れば今回”破損””全壊”したモデルでも何回でも再登場出来るのだが、。

イメージ 2一つだけ残念だったのはレイチェルが昔の姿で出て来る場面、、最初目にした瞬間に目の色が違うじゃん、、それにヘアスタイルも違うぞ、、とつっ込みたくなったのだがやはりデッカード爺もちゃんと判っていた。てっきり目が不自由なのでワレスが間違って作ってしまったんじゃなくてデッカードの本心を聞き出したかった?それにやはりあのレプリカントは特種モデルだったんだ。何と言っても奇跡を起こした当本人なんだし、。

背景、音楽、撮影、プロダクション・デザインと全ての分野で82年度版を継承していたのには大満足だった。ライアン・ゴスリングは”ラ・ラ・ランド”とは全く印象が違うのだが自分のパパはひょっとしてデッカード?そして真実が判明してからの憂いを帯びた表情は実に巧かった。公開されてから大分時間が経過してしまったが最後まで目を離せず満足な映画でした。